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リブロ池袋本店40年の歴史に幕 作家らも駆け付け、ネットでも惜しむ声

リブロ池袋本店スタッフ一同による最後の一礼

リブロ池袋本店スタッフ一同による最後の一礼

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 書店チェーンのリブロ(豊島区東池袋4)は7月20日、リブロ池袋本店(豊島区南池袋1)の40年の歴史に幕を下ろした。

(左)同店 西田店長・(右)同社 三浦社長

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 入居する西武百貨店池袋本店との契約満了のため、閉店を迎えた同店は、1975(昭和50)年「西武ブックセンター」として同百貨店内にオープン。その後、1985年(昭和60年)に「リブロ」として独立。アートや思想などに重きを置いた先鋭的な棚作りは、併設した「セゾン美術館」とともに西武百貨店を中心とするセゾングループの文化戦略(セゾン文化)の中核を担い、「ニューアカデミズムの聖地」とも呼ばれた。

 営業最終日となる同日は多くの人でにぎわい、中でも作家や漫画家、スポーツ選手らが寄せ書きをしたAゾーン入り口の柱の前は、その様子を写真に収めようとする人であふれた。漫画家の江口寿史さんをはじめとした、作家や出版関係者、同店の元スタッフなども駆け付け、同店のスタッフと思い出話に花を咲かせる姿が見られたほか、ツイッター上でも多くの一般ユーザーや出版社アカウントから同店の閉店を惜しむツイートが寄せられた。

 閉店時間となる21時を迎えても、レジ前には長蛇の列が途絶えることは無く、Aゾーン入り口には閉店の瞬間を見届けようとする100人以上が集まり、一時通行が困難になるほどに。

 同社の三浦社長は最後のあいさつの中で「本日をもちまして、リブロ池袋本店は最終の営業となります。大変残念ではありますが、いつの日か再び、この創業の地の池袋で、再度出店をしたいと決意をしております」と、池袋での再出店を目指している旨をあらためて表明。スタッフ一同の「ありがとうございました」という一礼とともに、盛大な拍手に包まれながら、同店最後の営業を終了した。

 同店に20年以上通っていたと話す女性は「アートが好きで美術館と書店、ともによく利用していた。足を運べば、面白い本があるという信頼感があった。閉店後には他の書店が入ると聞くが、独自性の強いリブロの後で、どのような棚作りをするのを見守りたい」と、同店への思いを語るとともに、今後の展開にも関心を寄せる。

 同所には「三省堂書店 池袋本店」が7月29日、オープンすることが決まっている。

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