西武鉄道は池袋駅リニューアルと旧本社ビルの建て替えを実施する。2012年は同社の前身、武蔵野鉄道設立から100周年、来年は現在の西武池袋線開業100周年で、節目を迎えるとともに駅構内や周辺の活性化に着手。豊島区も線路上に東西を連絡するデッキ建設を検討中で、池袋駅南側の様相に変化が起きそうだ。
駅リニューアルでは、構内を全面的に改装。明治通りに面するエントランスは曲線的で照明を用いたデザインとし、コンコースでも時間帯に合わせた照明やデジタルサイネージにより「“自然性”と“都市性”の二面性を複合(同社広報)」した外観にする。列車案内表示は従来の発光ダイオード(LED)式に加え、液晶ディスプレー(LCD)式を導入。そのほか、ホームドア設置や1階・地下1階の店舗リニューアルも行う。
一方、同社の旧本社ビル建て替えは2012年から計画されていたもの。当初は、延べ床面積2万3700平方メートル、2016年の竣工が予定されていたが、6月11日の発表では延べ床面積4万3300平方メートルで17~18階建てのビル建設に変更。2018年竣工予定で、同社は「オフィス貸室面積で池袋エリアではトップクラスとなるだけでなく、当該エリアの新たなランドマークになることでエリアの活性化が図られる」とアピールする。
連絡デッキは、都市内の回遊性を目的にかねてから検討されていたが、2011年の東日本大震災で帰宅困難者が発生したことなどを契機に、防災面での機能性が必要とされている。当初は、西側をJRメトロポリタン改札口、東側がびっくりガード付近を結ぶデッキが検討されていたが、今回の西武・旧本社ビル建て替えにより新たなビルと接続する可能性も浮上している。
現在、豊島区・JR東日本・西武鉄道の間でデッキ建設に向けた現況調査が進められている。