目白に7月28日、「目白美術館」(TEL 03-5906-5521)がオープンした。現在は第2回となる企画展を開いている。
目白駅そば「目白寛永堂ビル」のワンフロアで、面積は約165平方メートル。昭和から平成初期に日本で活躍した洋画家の作品約400点を収蔵する。館長・高島穣さんが子どものころから好きだったという洋画家で、刑部人(おさかべじん)、鈴木千久馬、楢原健三など。不定期で開く企画展で紹介している。
現在開催中の企画展では、桐野江節雄(1925~1999)の絵約40点を展示。日本の海と朝日、バラの花、女性の人物画を中心に描いていた洋画家で、「見て分かりやすく、色がきれいなのが特徴」という。絵が引き立つよう背景となる壁を黒にしている。
桐野江節雄は日本のオート・キャンピングを始めた草分け的な人で、若いころには4年半ほど欧米を旅行していたという。その時の風景を描いたものには墨絵が多く、同展では8点ほどを展示。旅の手記や冒険記からの説明も添える。
高島さんは「昭和の画家は受け継ぐ人がいなければどんどん忘れられてしまう。そうした画家がいたことを、当館を拠点に後の世代にも伝えていきたい」と話す。
作品は全国の美術館に無料で貸し出す。展示空間をギャラリーとして提供することも行っている(有料)。
美術館は企画展・貸しギャラリーの期間のみ開館。「桐野江節雄展」の開催時間は11時~16時。入場料は1,000円(高校生以下は無料)。今月14日まで(10日は休館)。