西武池袋線椎名町駅近くの金剛院(豊島区長崎1、TEL 03-3957-2313)が現在、小・中学生を対象とした寺子屋「無量大成塾」の生徒を募集している。
2010年に始まった同塾。新小学5年生、新中学2~3年生を対象に今回3期目の生徒を募集する。2年間の担任制で原則とし年度内の途中入塾を認めないのが特徴。「世帯収入の格差による教育格差」「地域の少子化」「学校の活性化」という「現代の問題」を地域で何とかしたいという思いから、地域・学校と密着し、入学金・月謝・教材費など一切無料で行う。
金剛院は江戸末期に智観比丘尼が長崎村の子どもたちを集めて礼儀作法や読み書きを教える寺子屋を行った歴史を持つ。塾長の竹下光彦さんは椎名町で幼少時代を過ごし、長年教育関係の出版社を経営してきたという経歴を持ち、このような歴史を持つ金剛院で「現代の寺子屋」をできないかと住職に話を持ち掛けたのが塾を始めたきっかけだという。
仏教用語で「限りなく広い」「無限」を意味している「無量」と、未来を担う子どもたちが無限に大きく成長してほしいという願いから「大成」という言葉を選び塾の名前にしたという。「お寺で教えるからといって、特定の宗教観や色は一切入れていない。グローバルに自分で考え、自分で決めることのできる指導を目指す」と竹下さん。
授業は金剛院の客殿を使い、週2回の1クラス10人以下の少人数で個人の能力に合わせた指導を行っているという。
「お寺で学ぶ時は、子どもたちがまったく違う顔つきになる。心を落ち着けて集中力を養うには、お寺ほど理想的な場はないと感じている」と竹下さん。「第1期の修了生が今年から高校生になる。数年内にこうした子どもたちが大学生になり、講師として手伝ってくれる人も現れるのでは、と期待している」とも。
募集締め切りは3月20日。