住友ベークライト株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:藤原一彦)は、半導体パッケージ向け基板材料【LαZ(R)】の新製品として、半導体チップに生じた熱を効果的に放熱する高熱伝導基板材料を開発し、サンプルワークを開始しましたのでお知らせします。
背景
AIや5G、エッジコンピューティングに代表される先端半導体や出力容量の増加や高周波化が進むパワーデバイスは、チップの高集積化や小型化、伝送損失の低減、省電力化などが求められています。その解決策の1つとして、チップを基板に内蔵することでビア接続により配線距離を短くする検討がなされています。一方で、内蔵された半導体チップの発熱が製品にダメージを与え、エネルギー効率や製品のパフォーマンスを低下させる原因となるため、チップの発熱抑制や放熱が重要な課題です。
半導体パッケージ材料の放熱性向上の取り組み
内蔵されたチップの放熱は層間を接続するために使用される導電性のビアを用いたサーマルビアによるものが主流でしたが、基板に高い熱伝導性を持たせることで放熱性が向上し、サーマルビア数の減少により回路設計の自由度が増し、部品の小型化にも貢献すると期待されています。
当社が開発する次世代半導体パッケージ用高放熱基板材料について当社は、高い熱伝導率を持つ基板材料を開発しました。
プリプレグタイプで1.5W、レジンフィルムタイプで2.1Wの熱伝導率を持ち、レジンフィルムタイプではチップ埋込用のキャビティを樹脂で埋め込むための高流動性も付与しています。
これにより、基板内部の放熱性が向上します。
メリット
当社が開発した高熱伝導基板材料は、チップで発生した熱を効率よく拡散し、チップの発熱低減に寄与します。特にチップや部品を内蔵した基板では放熱効果がより期待できます。
? チップ内蔵化によるパッケージ小型化の実現
基板の熱伝導率を上げることで、チップを基板に内蔵することが可能になります。これにより、さらなるパッケージの小型化を実現します。
? 放熱性の向上
高熱伝導性を持つ基板材料を使用することで、基板からの放熱性が向上します。
? 設計の自由度アップ
高熱伝導性基板材料の使用により、サーマルビアの減少が可能となり、回路設計の自由度がアップします。より複雑で高性能な回路設計が可能になります。
今後について
本製品は、プリプレグ材とレジンフィルム材でサンプルワークを開始し、2025年度中の量産化を目指します。
さらに、この技術の横展開としてコア材へのラインアップ拡充を見据え、今後も当社は市場や顧客のニーズに対応したパッケージ材料から半導体の高機能化、高生産性化の実現に貢献してまいります。
本件に関するお問い合わせ
住友ベークライト株式会社 情報通信材料営業本部
TEL: 03-5462-4015
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