■鉄建建設株式会社（本社：東京都千代田区、社長：伊藤 泰司、以下「鉄建建設」）、CalTa株式会社（本社：東京都港区、代表取締役CEO：高津 徹、以下「CalTa」）、株式会社マップフォー（本社：愛知県名古屋市、共同代表：橘川 雄樹、田中 一喜、以下「マップフォー」）は、独自開発の自動検出システムと可搬式LiDARによるマシンガイダンス技術を共同開発しました。
本技術は、現場に設置した独自開発の自動検出システムと可搬式LiDARを組み合わせ、重機の位置や動き、掘削などの出来形をリアルタイムで検出・解析するものです。このシステムは、可搬式LiDARが取得した点群データを処理して、重機の動きや掘削形状を自動検出し、端末上でリアルタイムに可視化します。これにより、重機へのLiDAR設置や大がかりな改修を行うことなく、非GNSS環境下（トンネル、地下空間、屋内などのGNSS信号を受信できない環境）でも、現場状況の正確な把握が可能になります。
本技術を用いて、建設現場の遠隔施工を促進し、労働力不足が深刻化する中で建設現場の生産性向上や労働環境改善に貢献します。

実証実験の様子（PC画面は掘削地山のリアルタイムな情報を表示）

■背景と課題、新技術の概要
近年、建設業界では労働力不足が深刻化し、生産性向上や労働環境改善が喫緊の課題となっています。これを受け、重機の遠隔操作・自動化技術の導入が進んでおり、マシンガイダンス技術の重要性が高まっています。
従来のマシンガイダンス技術では、運転手に重機の位置や作業状況の正確な情報を提供するために、重機へのLiDARなどの高精度な測位デバイスの設置や改修を行う必要があり、導入にはコストや時間を要しました。非GNSS環境下における作業では、マシンガイダンス技術の適用自体が困難な場合も多くあります。
本技術は、重機を改修せずに、現場に設置した独自開発の自動検出システムと可搬式LiDARを組み合わせることで、重機の位置や動き、掘削などの出来形をリアルタイムに検出・解析し、施工状況を正確に把握するものです。
自動検出システムは、可搬式LiDARが取得した点群データを解析し、重機の動きや掘削形状を特定します。これにより、非GNSS環境下でも重機の稼働状況や施工進捗をリアルタイムで把握し、遠隔施工の推進が可能になります。
運転手は、端末上に表示されたデータを通じて、重機の位置関係や掘削の進捗を直感的に把握でき、正確な作業が行えるようになります。

■実証実験の概要
今回の実証実験は、屋内試験設備に独自開発した自動検出システムと可搬式LiDARを設置し、非GNSS環境下での重機の動きや掘削地山の変化を、1cm単位でリアルタイムに自動検出することを確認しました（LiDARとの距離10ｍ～30ｍ）。これにより、本技術が実施工環境での適用に向けて十分な精度を有することが実証されました。

左キャプション：バックホウによる掘削状況　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　右キャプション：左写真における点線囲い部の拡大図。自動検出したバックホウの点群（白色）および掘削した部分の差分ヒートマップ表示（寒色系）を表している。バックホウの動きをリアルタイムで自動検出（右図ではバケットの位置が把握できている）するとともに、掘削部については掘削深さをリアルタイムに1cm単位でヒートマップ表示が可能


■今後の展開
鉄建建設、CalTa、マップフォーは、実証実験で確認した本技術の有効性を踏まえ、引き続き施工現場での適用に向けた検証を進めます。そして、マシンガイダンスの本格導入を実現し、建設業界における新たな技術基盤の確立を目指します。
この技術は、情報通信ネットワークを介して建設現場の遠隔施工を可能とし、安全性や生産性の向上に大きく貢献します。また、建設業界のDXを加速させ、労働力不足の解消や、テレワークによる施工管理の実現を促し、持続可能な建設業の未来を創造していきます。

■会社概要
【鉄建建設株式会社】
所在地：東京都千代田区神田三崎町
代表者：代表取締役社長 伊藤　泰司
URL：https://www.tekken.co.jp/
【CalTa株式会社】
所在地：東京都港区高輪二丁目18番10号 高輪泉岳寺駅前ビル9階
代表者：代表取締役CEO 高津 徹
URL：https://calta.co.jp/
【株式会社マップフォー】
所在地：愛知県名古屋市中区錦二丁目8番1号
代表者：共同代表：橘川 雄樹、田中 一喜
URL：https://www.map4.jp