プレスリリース

komhamとNTTアーバンソリューションズ総合研究所、品川シーズンテラスにおいて都市型施設内の資源循環に関する実証実験を開始

リリース発行企業:株式会社komham

情報提供:

株式会社komham(本店:札幌市厚別区、代表取締役:西山すの 以下、当社)と、株式会社NTTアーバンソリューションズ総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役:阿部聡 以下、US総研)は、都市型施設における持続可能な資源循環の実現をめざし、東京都港区の複合施設「品川シーズンテラス」にて、次世代生ごみ処理機「スマートコンポスト(R)」【1】を試験導入し、施設内で発生する生ごみから完全な循環利用形態を図る実証実験を、2025年7月28日より約1カ月間実施いたします。

本実証は、東京都のスマートサービス実装促進事業「Be Smart Tokyo」【2】に採択されたプロジェクトであり、スマートサービス実装促進事業者のCIC Institute【3】の支援を受けています。スタートアップ企業である当社とUS総研の協業により、都市が抱える環境問題の解決に向けたイノベーション創出をめざします。

実証期間中は、設置場所である品川シーズンテラスにて、実際に稼働中の「スマートコンポスト(R)」の様子をご覧いただける実機見学会(当社主催)を開催いたします。環境対策に関心のある企業や自治体関係者の皆様をはじめ、多くの方々のご参加をお待ちしております。

<本実証の概要>



背景、目的
都市部では「温室効果ガスの削減」や「ごみ焼却施設の老朽化」など、都市特有の環境負荷の低減や廃棄物処理に関する喫緊の課題を抱えています。特に、事業系一般廃棄物の可燃ごみは焼却処分が主流であり、埋め立て処分場の残余容量のひっ迫が深刻化しています。都市型施設は、ごみの発生抑制やリサイクルの推進といった持続可能な資源循環型社会の実現に向けた取り組みが求められています。

US総研は、都市型施設における持続可能な資源循環モデルの構築をめざし、ごみを「新たな資源」と捉え、ビル内での有効活用を検討しています。品川シーズンテラスでは、環境配慮型ビルとしての設計・運用に加え、地域との連携など多角的な環境施策を推進しています。低層階にはバラエティに富んだ飲食店舗を配置しており、特に高層棟のオフィスワーカーや近隣からの来訪者のランチ需要に対応していますが、それに伴う生ごみの排出は避けられないものになっています。
本実証では、ランチ運営で発生する弁当由来の生ごみを、当社が開発した「スマートコンポスト(R)」で処理し、施設内での循環利用を試みます。処理後に生成される堆肥は、品川シーズンテラスエリアマネジメントの取り組みと連携し、施設内のホップ栽培や緑地への活用を通じて、コミュニティの形成や環境意識の醸成に資する活動へと展開していく予定です。
また、将来的な廃プラスチック対策にむけて、生分解性プラスチック袋の分解処理について実証します。
概要
- 実施期間:2025年7月28日(月)~8月29日(金)
- 「スマートコンポスト(R)」設置場所:品川シーズンテラス敷地内
- 処理内容:弁当由来の生ごみ
- 投入量目安:1日あたり約5kg(期間中約120kgの生ごみ処理を予定)

意義と今後の展望
本実証は、従来の焼却依存型処理に代わる新たな選択肢として、生ごみを処理後再資源化する「完全循環型モデル」の構築をめざすものです。
「スマートコンポスト(R)」は、電源や排水処理を必要としません。微生物が生ごみを最短1日で最大98%分解、減量し堆肥を生成します。生成された堆肥は、施設内緑地や作物栽培などへの活用を検討しており、これにより都市型施設における資源循環が形成されます。
また、削減廃棄量については「見える化」を行い、事業者をはじめとしたビル関係者様や、地域住民の皆様と共有することで、環境意識の向上にも寄与します。
US総研は、本実証で得られた知見を地球環境保護における課題解決の取り組みに活用し、未来に向けた持続可能な街づくりの実現に貢献します。

■株式会社NTTアーバンソリューションズ総合研究所
NTTアーバンソリューションズグループ内のシンクタンクとして、全国各地で持続可能な都市・地域づくりを支援しています。都市計画、エネルギー、防災、コミュニティ形成など、専門力やデータ分析力、NTTグループの知見を活かし、先進的な街づくりを推進しています。戦略パートナーとして、地域の皆様の目線での調査・研究・コンサルティングを通じ、そのまちならではの課題解決に取り組んでいます。

【会社概要】
- 会社名:株式会社NTTアーバンソリューションズ総合研究所
- 本 社:東京都千代田区外神田4-14-1 秋葉原UDX
- 代表者:代表取締役社長 阿部 聡
- 設 立:2021年7月1日
- URL:https://www.ntt-us.com/usri/

■株式会社komham 
「微生物で生活環境を整備する」をミッションに掲げるkomhamは、生ごみの高速分解ができる微生物群「コムハム」の研究および、それらを用いたバイオマスリサイクルシステムの構築を行っています。
また、研究成果を用いて、新規サービスや商品の開発を積極的に推進し、だれもが意識せずとも環境にやさしい暮らしができるようなインフラ作りをめざしています。

【会社概要】
- 会社名:株式会社komham
- 本 店:札幌市厚別区下野幌テクノパーク1丁目1-10-211号
- 支 店:東京都渋谷区猿楽町17-10 代官山アートビレッジ3階B
- 代表者:代表取締役 西山 すの
- 設 立:2020年1月29日
- URL:https://komham.jp

■品川シーズンテラス
「都市と自然が共生する未来型オフィス・コミュニティ」をコンセプトに、大規模な緑地と最先端の環境配慮技術を融合した複合施設です。施設全体では、CO2削減、省エネルギー、ヒートアイランド対策、生物多様性の保全など、多角的な環境アクションを展開しています。
本施設は、NTTアーバンソリューションズグループが推進する街づくりの拠点として、NTT都市開発株式会社が開発・運営に関与しています。また品川シーズンテラスエリアマネジメントでは、地域や企業と連携したエコアクションキャンペーンや環境教育イベントを積極的に実施し、持続可能な街づくりのモデルケースをめざしています。

【施設概要】
施設名:品川シーズンテラス
所在地:東京都港区港南1-2-70
開業:2015年
URL:https://www.shinagawa-st.jp/





■本実証の見学会(当社主催)
本実証期間中、「スマートコンポスト(R)」の運用状況や処理の様子をご覧いただく見学会を開催予定です。環境対策に取り組む施設・店舗・イベント主催者様、自治体ご担当者様、生ごみ処理機やコンポスト導入をご検討中の企業・団体様、メディア関係者の皆様など、ご関心をお持ちの方は、ぜひこの機会に実機の設置状況や実際の運用をご体感ください。

見学をご希望の方は、以下の予約フォームよりお気軽にお申し込みください。
▼見学予約フォーム
スマートコンポスト(R) 見学予約フォーム




【本件に関するお問合せ先】
- NTTアーバンソリューションズ総合研究所:info-usri-ml@ntt-us.com
- komham:https://komham.jp/contact

解説
[1]スマートコンポスト(R)とは
「スマートコンポスト(R)」は、AC電源や排水処理を必要としないソーラー発電で自動駆動する独立型の生ごみ処理機です。生ごみの高速処理が得意な当社の微生物群「コムハム」※がより安定して生ごみを分解できる環境を「スマートコンポスト(R)」内に整え、街中や施設内に設置しても景観を損なわないデザインで開発しました。また、管理者は、クラウドにアップロードされたデータから、投入生ごみ量、生ごみ分解量/分解率、温室効果ガス排出削減量、バッテリー残量を取得することができ、エラー発生時はアラートがあがるため、最低限のメンテナンスで運用ができます。

スマートコンポスト(R)
【製品概要】
■サイズ: 980 (W) x 1365 (H) x 900 (D) mm
■本体重量: 約200kg
■処理能力: 最大10リットル/日
■消費電力: なし(ソーラー発電)
■耐用年数: 8年
■測定/取得できるデータ:
・投入生ごみ量
・生ごみ分解量/分解率
・温室効果ガス排出削減量
・バッテリー残量



微生物群「コムハム」
当社が独自で開発した生ごみを高速分解する能力を持つ微生物群です。生ごみを最短1日で最大98%まで分解する特徴があり、通常、数週間かけて複数回発酵させる堆肥化を高速で行うことができます。
次世代シーケンサーを用いた微生物群集解析の結果から、コムハムは複数の好熱性バシラス科細菌を中心とした微生物群から構成されていることが分かっています。
有害性評価として、コムハムの主要構成細菌が有害微生物リストに非該当であることを確認しています。なお、コムハムの遺伝子組換えやゲノム編集は行っておりません。
※特許情報「微生物、生ゴミの分解に用いるための組成物、および生ゴミ処理方法(特許7300079)」

[2]東京都スマートサービス実装促進プロジェクト「 Be Smart Tokyo 」 
東京都では、先端技術等を活用した便利で快適な都市「スマート東京」が実現されることを目指しています。
本プロジェクトは、独創性・機動力にあふれるスタートアップ等が各エリアと協働することで、都民の暮らしの利便性・QOLを高める新しいサービスをスピーディに生み出すことを目的としています。
東京都プロジェクトページ:https://www.be-smarttokyo.metro.tokyo.lg.jp

[3]CIC Institute 
CIC Institute とは、イノベーションエコシステム構築や、スタートアップ特にディープテック関連スタートアップの支援における知見を活かし、政府や地方自治体、大学などと連携しグローバルに成功を収めることのできるスタートアップの成長支援や、エコシステム構築業務を担うチームです。
CIC Institute は現在、多くの行政機関や大学関係のプロジェクトを遂行しており、エコシステムの発展やイノベーションを通じた経済発展に貢献をしています。
今後も、自治体等の行政機関や民間企業からの高まる需要に合わせ、より多くのプロジェクトを 実行し、CIC Tokyo を含む CIC 全体と緊密に連携しイノベーション創出を促進する部門として活動していきます。
CIC Institute webページ:https://jp.cic.com/innovation-program/#about-cic-institute

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