池袋シアターグリーン（豊島区南池袋2、TEL03-3983-0644）で9月29日から、劇団俳小（東池袋2）による公演「トキワ荘の夏」が上演される。

　脚本は、「人は見た目が9割」の著者で知られる劇作家で演出家の竹内一郎さんの書き下ろし。竹内さんは著作にサントリー学芸賞を受賞した「手塚治虫＝ストーリーマンガの起源」があり、漫画にも詳しい。

　作品の舞台は、昭和30年、手塚治虫さんら著名な漫画家が数多く住んでいたアパート「トキワ荘」。漫画に魅せられた若者たちが、熱心に語り合い、真剣にぶつかり合い、そして悪戦苦闘しながらも漫画の中に「夢」や「希望」を描き続けていた姿を描く。

　制作部のいがりたかしさんは「舞台装置もトキワ荘の屋内を表現し、実在した人物、団体をモデルとした話だが、本作品は創作。半分フィクション、半分ノンフィクションというかたちを取っている」と話す。「世界に通用する『本物』が放つエネルギーを生み出すためには、時に焦ったり、苦しんだり、悩んだりするが、そうしたことが忌み嫌われるものでもつまらないものでもなく、生きていく原動力に必要不可欠なものだということを、続々とトキワ荘に現れる若き漫画家たちの姿を通して感じ取ることができる」とも。

　さらに、「漫画というとても親しみのある明るい題材で、大いに楽しんでいただけるはず。池袋を本拠地としている劇団が池袋を題材にした作品を上演するということで注目を集めている。ぜひご覧いただければ」といがりさん。

　料金は、前売り・当日とも3,500円。上演時間などは同劇団のサイトで確認できる。公演は10月4日まで。