池袋西口にトルコパン専門店「デギルメンベーカリー」(TEL 03-5944-9119)がオープンして2カ月が過ぎた。
店舗面積は約55平方メートル。トルコ人のOMER(オメル)さんがトルコ人のパン職人と共にトルコのパンを中心にそろえる。店名の「デギルメン」は「製粉所」という意味。
トルコではイスラム教徒が多く、イスラム教は「豚肉や牛脂を口にしてはいけない」など戒律が厳しいため、同店では「ハラル」(イスラム法で食べられるもの)に対応したパンを多く取りそろえている。パンは約50種類ほど提供しており、その内3分の1をトルコパンが占めている。
トルコのレストランやパン屋で職人として働いていたオメルさんは「実はトルコの『アナトリア』がパン発祥の地であるのに、アピール下手なため、世界にとってトルコパンの印象が薄い」と感じ、日本で同店を開いた。職人も全員トルコ人で、窯もトルコで使用されているものを用意した。
トルコパンはトルコ人の生活に密着したメジャーな食べ物で、どのシーンにも合うようにシンプルな作りのものが多い。オメルさんは「『個』で成り立つような豪華で具だくさんの総菜パンと違って、トルコパンは気取らずに毎食食べられるようなパン。素朴だからどんなおかずとも合うし、日本人の口にも合う」と話す。
食パンとの違いは「卵が入っている」点のみで、平たい円形状の「ピデ」(200円)や、見た目が小さいフランスパンで食感は柔らかくトルコチーズの塩味が利いている「ポアチャ」(180円)、大きいドーナツのような形で白ゴマがまぶしてある「シミット」(150円)など。
7月下旬には、夏に向けてトルコパンに合うヨーグルトを使用したトルコデザートやサラダ、ドリンクの提供も始める。今後はその場で食べられるように、イートインスペースを用意する予定。
オメルさんは「現段階ではトルコ色を全面に出さずに、日本人になじみのあるパンを取り扱い、街の皆さんにちょっとでも知っていただけたら」と話す。「ゆくゆくは日々の生活の導線上にトルコパンがあるようになりたい」とも。
営業時間は10時~20時。木曜日定休。