豊島区は今日、消滅可能性都市対策の一環として東京都で初となるリノベーションスクール開催を目指す事を発表した。
豊島区は、池袋が住みたい町ランキングで3位に躍進するなどの支持を得る一方、消滅可能性都市として東京23区内で唯一指摘されるなどしており、持続的な対応が求められている。
豊島区の空き家率は12.9%。全国平均の13・5%を下回ってはいるが、23区平均の11.3%よりも高い。同区では住みたい町に加え、「産みたい・育てたい」町を目指す。
リノベーションスクールは、福岡県北九州市から始まり今年で7回目。リノベーションを通じた都市再生手法を学び、体験するスクール。実際の遊休不動産を対象に、全国から集まった10人程度からなる「ユニット」を構成し、リノベーションの事業プランを数日間かけて構築、最終日に遊休不動産のオーナーに提案し実際の事業化を目指す。
現在、北九州市、熱海市、和歌山市、田辺市で開かれており、提案を元に事業化されたプロジェクトは10件程度。北九州市では、事業化されたプロジェクトでの雇用が200人を超える実績がある。今年8月に北九州で行われるリノベーションスクールには豊島区職員も参加。ノウハウを習得し、豊島区で東京での初開催を目指す。
北九州でリノベーションスクールを企画運営するメンバーの中心である、らいおん建築事務所の嶋田さんは豊島区在住であり「池袋を訪れる人は増加傾向にあり、イメージが良くなっているが、周辺住宅地としての都電荒川線沿いの向原や雑司ヶ谷等は古い木造住宅を中心とした住宅地が多い。若い人の居住はあるものの、子どもを育てるには家族向けの住宅の供給が需要と比べると少なく、とたんに住みにくくなる。空室率の高い池袋周辺地域を、リノベーションによって女性が、子育てをしながら住んで、働いて、暮らす。それをリノベーションによる町作りを通じて、豊島区で実現したい。豊島区にはそのポテンシャルがあり、今後同様の問題がおきるであろう都心でのモデルケースとなれたら」と期待を寄せる。