池袋駅周辺で「帰宅困難者対策訓練」-実際に歩いて帰宅する訓練も

帰宅困難者対策訓練中の池袋東口の様子。情報提供ステーションも設置された

帰宅困難者対策訓練中の池袋東口の様子。情報提供ステーションも設置された

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 池袋駅周辺を含む都心部で2月3日、災害発生時の交通・情報網の混乱を想定した「帰宅困難者対策訓練」が行われた。主催は都と豊島区など3つの特別区。埼玉県や交通機関などの周辺事業者とも連携して行われ、臨海部で実施された訓練では海上自衛隊、海上保安庁、在日米海軍も参加するなど、大規模な訓練となった。

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 池袋駅周辺で行われた訓練では、10時に東京湾北部を震源としたM7.3の直下型地震が発生したという想定の下、豊島区役所内に災害対策本部を設置。同本部では通信訓練が開始され、池袋駅東口・西口に設置された情報提供ステーションと中継動画・音声による情報の伝達が行われた。本部の指示により一時滞在施設が確保され、中池袋公園や勤労福祉会館、ホテル、池袋駅構内の地下街が滞在施設となった。これら施設では一般参加者1000人が、帰宅情報の提供を受ける訓練が行われた。

 通信訓練が終了した後、災害対策本部長を務める高野之夫豊島区長らは情報提供ステーションや一時滞在施設などを視察。情報提供ステーションでは大災害時の通信規制を受けにくいウィルコム「イエデンワ」や、ソフトバンクによる「iPad」を使った他の会場との通信が実演された。ダイドードリンコは今回の訓練で災害救援ベンダーを展示。災害発生時に飲料を無料供給したり、付属画面で情報提供ができる自動販売機で、都内では現在3台が無償提供されている。同社は今後、提供する台数を増やしていく方針。

 一方、池袋西口公園は「徒歩帰宅訓練」のスタート地点で、さいたま市、新座市へ向け参加者たちが実際に歩く訓練が行われた。高野区長は徒歩帰宅訓練に先立ち「地震のときはむやみに移動しようとせず、『帰らない』『安否確認の連絡を取る』『帰宅できるまで助け合う』という三原則を心掛けていただきたい」とあいさつで述べた。

 豊島区は現在、世界保健機関(WHO)が規定するセーフコミニュティー(安全・安心に関する世界認証制度)に申請中で、本審査を行う審査官が来日している。審査官は今回の訓練にも立ち会い、区職員や周辺事業者に外国人被災者・帰宅困難者への対応について質問していた。

 「池袋は外国人も多く生活する国際都市。今後、外国人への対応も円滑に行えるよう進めていきたい」と高野区長。セーフコミュニティーが認証されれば、豊島区は東京都内の都市として初めて認証を得ることになる。

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