池袋で「おせっかいバッジ」1000個が製作され、2月12日に開催されたシンポジウムで配布された。
直径5.5センチの缶バッジ。子どもたちを見守りたいと願う大人が「自分はこの街の人で、助けを求めてもいい大人」であることを、バッジを着けることによって子どもたちに示す。
デザインは豊島区内全ての小・中学校をはじめ、「区民ひろば」などさまざまな場所で公募。集まった129点の中から選ばれたのは早稲田大学3年・土屋雄豊さんのデザインで、貝の子どもを両手で差し出す絵の下に「おせっかいどうぞ」と記されている。製作したNPO法人「豊島子どもWAKUWAKUネットワーク」代表の栗林知絵子さんは「押し付けではない温かさが感じられる」と話す。
「バッジが地域の人々のつながるきっかけになれば」とも。子どもたちがバッジを見て安心してあいさつを返したり、高齢者やベビーカーを押す母親などが手助けを求めやすくなったりすることなどに期待する。
同NPOは区内3カ所で小・中学生を対象とした無料学習支援を行っている。子どもが1人でも入れる「子ども食堂」(豊島区要町1)も運営。大人と子どもが食事を作り、食べながら話もする「場」として開き、「誰でも300円で栄養バランスの良い夕食を食べることができる」という。現在100個ほど残っている缶バッジも食堂で配布中。
「貧困の連鎖を断ち切ること」を理念としている同NPO。貧困には「経済的な貧困」に加えて、人とのつながりが少ないことで孤立する「社会的な貧困」も存在し、特に子どもの場合は見えにくいという。
栗林さんは「(そうした子どもたちにも)自分が地域の本当に宝物だということを感じてほしい。地域が変わることで子どもが変わり、その子どもが大きくなった時に社会も変わるのでは」と話す。