プレスリリース

障害当事者の61.9%が生成AI(ChatGPT等)を生活面でも活用。AI活用する上で感じている不安とは?

リリース発行企業:株式会社パパゲーノ

情報提供:




企業のDX支援や、精神・発達障害のある方の就労支援サービスを運営する株式会社パパゲーノ(本社:東京都杉並区、代表取締役:田中 康雅)で就労継続支援B型事業所「パパゲーノ Work & Recovery」の利用者を対象に、生成AI(ChatGPTなど)の活用状況と意識に関する調査を実施した結果を報告します。
調査の概要
対象者:パパゲーノ Work & Recovery(就労継続支援B型)の利用者(任意回答)
回答数:21名(男性10名、女性9名、性別は回答しない2名)
調査期間:2025年1月14日~2月7日
調査方法:Webアンケート形式










生成AIの業務活用状況:76.2%が仕事で生成AIを活用
- 「非常に良く使っている」: 9名(42.9%)
- 「時々使っている」: 7名(33.3%)
- 「ほとんど使っていない」: 4名(19%)
- 「使ったことがない」: 1名(4.8%)




生成AIの日常生活での活用状況:61.9%が日常生活で生成AIを活用
- 「非常に良く使っている」: 6名(28.6%)
- 「時々使っている」: 7名(33.3%)
- 「ほとんど使っていない」: 5名(23.8%)
- 「使ったことがない」: 3名(14.3%)





19%は在宅勤務を中心に就労
パパゲーノ Work & Recoveryの利用者のうち19%は在宅勤務を中心にしています。14.3%は時々在宅勤務をしています。



通所頻度は週3日が28.6%と一番多く、57.1%が1日約2.5時間の稼働
パパゲーノ Work & Recoveryの通所頻度は、以下の通りでした。週3日が28.6%と一番多いです。
- 週5日:19%
- 週4日:23.8%
- 週3日:28.6%
- 週2日:4.8%
- 週1日:14.3%




なお、毎月回答いただいている月の目標通所日数(累計値)は下記の通りです。こちらも月12日(週3日ほど)が一番多くなっております。



1日の稼働時間は、
- 午前のみ(9:30~12:00):19%
- 午後のみ(13:00~16:30):38.1%
- フルタイム(9:30~16:30):42.9%

と、フルタイムの方よりも、午前のみ、または、午後のみと半日の稼働にしている方が57.1%と多いです。



1ヶ月の稼働時間平均は約38時間、工賃月額は41%が1.5万円以上
2025年1月の工賃支給対象者数は51名で、平均月間稼働時間は「38時間21分3秒」でした。
- ~20時間未満:16名
- 20~40時間未満:14名
- 40~60時間未満:9名
- 60~80時間未満:8名
- 80~100時間未満:2名
- 100時間以上:2名




工賃は時給制となっており、時給200円が28名(54.9%)、時給400円が21名(41.2%)、時給600円が2名(3.9%)となっています。



工賃月額は以下の通りです。
- 5000円未満:11名
- 5000~1万円未満:12名
- 1万~1.5万円未満:7名
- 1.5万~2万円未満:7名
- 2万~2.5万円未満:6名
- 2.5万~3万円未満:2名
- 3万円以上:6名




開所から1年6ヶ月で5名が就職
2023年9月1日に「パパゲーノ Work & Recovery(就労継続支援B型)」を開所してから2025年3月までの約1年6ヶ月で、就職された方で、短期のアルバイト等を除き現在も継続して勤務している方は5名となります。生活リズムが安定し、通所頻度を週4~5日に増やして、仕事のレベルも高めながら就職活動に挑戦し内定取得された方が卒業しています。就職先企業は、デスクワーク(事務職)が中心です。

<参考:20年のブランクから就労Bを経て就職。パパゲーノ Work & Recovery卒業生が語る事業所の魅力とは?>
https://papageno.co.jp/voice01/
障害当事者から見たAIの「可能性」
今回の調査では、障害当事者がAIをどのように捉えているかについて、多数の興味深い回答が寄せられました。特に注目すべき点として、多くの利用者が生成AIを活用することで「自分の可能性が広がった」と実感していることが明らかになりました。また、「自分の苦手なことを補完してくれる」「文章作成のサポートになる」「質問がしやすい」など、AIが障害特性による苦手分野をサポートする可能性を評価する声が多く見られました。

以下、アンケートで寄せられた「自分の可能性が広がった」と感じた具体的な声を紹介します。
- 「チャットGPTを使用することによって業務の効率性が上がったり自分の苦手なことを補えたりした。」(20代女性)
- 「仕事が圧倒的に速くなった。AIに悩み相談をすることでメンタルが少し安定するようになった。」(20代男性)
- 「昔学習してほとんど思い出せないプログラミング言語でも、そつなくコーディングできる。」(20代)
- 「自分の苦手な事を補完してくれるので、やってみたいけど、出来なかった事が出来るようになりました。note投稿など、文章を書くのが苦手なので始めるのに躊躇していたが、生成AIを使って文章を整えて、投稿出来るようになった。パパゲーノの作業時に、分からないところを遠慮なく質問出来るようになった。」(30代女性)
- 「主治医やカウンセラー、行政以外に頼れるパートナーができた。」(30代女性)
- 「仕事相談BOTは便利で、今後社会に広まっていくのかなと思います。」(40代男性)
- 「Copilotでクオッカという動物と狐とかけ合わせた動物を生成AIで可愛いイラストを作成してくださいという文言を入れてイラストを作ってもらって、良いイラストができたときには、生成AIの可能性を感じました。」(50代女性)
- 答えに至るまでの中間推論ステップを明らかにして下さいと打つと、ChatGPT内でどういう思考プロセスを経て、何故その出力結果になったのかが具体的に説明される。それを見ることで自分の足りてない視点が分かったり、その工程を自ら応用したりもできる。」(30代男性)

障害当事者から見たAIへの「不安」
一方で、AIに対する不安や懸念も寄せられています。回答からは、情報の正確性への疑問や今後の雇用機会への影響の不安など、様々な角度からの懸念が示されています。
- 情報漏洩についてが不安
- 合っているのかどうか、わからない
- ハルシネーションの対応方法がいまいち心配です。
- コードを書いてお金をもらう「コーダー」という職業は近々失われるであろうこと。かつてcomputerとは「計算する物」ではなく「計算する人」を表す言葉だったように。
- 人間よりも優れる点が増えて行く中で、自分が必要とされる場所が無くなってしまうのではないかと不安に感じる事があります。
- シンギュラリティ
- ChatGPTが提示してくれる情報が必ずしも正しいとは限らないということに不安を感じることはあります。
- AIはあまり否定しないので問題点が合っているかどうかわからない場合がある
- 人間の仕事が、確実に減っていきそうだなと感じる
- 必ずしも全てが正しいわけではない。音楽などの著作権についてはどう使えばいいのか不安と思うことがある
- フェイク画像・映像に使われたら怖いと思います。
- ちゃんと正確で正しい保障がないこと
- 間違った回答をされたとき。更なる相談先があった方がよい
- 自分が明るくない分野(プログラミング等)だと実際に正しい情報なのか分かりづらく、結局Google検索して答えを探す羽目になる。
- 日に日に精度が進化しているとはいえ、プロンプトによっては「あれ」や「その」等の指示語が上手く伝わってなかったりして、結果頓珍漢な回答になったりする。

パパゲーノ Work & Recoveryを選ぶ理由
本調査では、障害当事者が就労継続支援B型事業所「パパゲーノ Work & Recovery」を選んだ理由についても尋ねました。
- パソコンスキルを学べるから:17名(81%)
- スタッフが良さそうだから:12名(57.1%)
- 静かに作業できそうだから:11名(52.4%)
- 交通の便が良いから:10名(47.6%)
- ChatGPTなど新しい技術に触れられるから:10名(47.6%)
- 工賃が高いから:10名(47.6%)

などが多く挙げられております。




「パパゲーノ Work & Recovery」に通っていて「1番良かったこと」
- 自分軸で考えられるようになったこと
- 生成AIに触れられること
- SNS採用マーケティングなど、従来の事業所にはないような高度な仕事にチャレンジができること
- 課金したChatGPTを触れること
- 一人ひとりに合った支援をしてくださること。
- パパゲーノにはパソコンがあるからこそ、最高に楽しく感じた方が1番良かったです。
- PCスキルが上がった!
- データ入力が得意
- SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)などで、視野が広がる。
- 社会とのつながりのきっかけになったこと
- 自分には縁がないと思っていた仕事にたくさん挑戦できたこと
- 生活にメリハリができた。
- 生活費の足しになること
- 働くという機会をいただくことがありがたいと思う。楽しいと感じる。個人情報も守られていると感じる。
- 通いやすくて、スタッフさんの対応も助かるからです。
- 自分の可能性が広がったこと。特にこれまでの職歴からしか今後の未来の人生を考えることしかできなかったので、何気ない会話や仕事を通して、自分が知らなかった将来性を見出せる可能性が高いことなどを日々感じています。
- 生活が整い、最新のお仕事スキルも身についた
- PCとデスクが主で紙や文房具などの物理的なモノがほぼ無く広々とした綺麗なオフィスという環境とPCを使う業務のため、「(内職的な作業や公園清掃などを主に行う)いわゆるパブリックイメージなB型作業所」とは異なり、「B型作業所に通っている」という後ろめたさが薄れる。その結果、自己肯定感が増す。
- Macに触れる機会ができたこと
- 自己学習を明らかにできること

株式会社パパゲーノ 代表取締役 田中康雅のコメント
今回の調査結果から、障害当事者の方々がAIに対して高い関心を持ち、積極的に活用していることが明らかになりました。特に、自分の苦手分野をAIでサポートする活用法は、障害特性に対する『合理的配慮』の一形態として注目すべきものと考えています。
私たちパパゲーノは、AIを『人の可能性を広げるツール(社会資源)』として捉え、障害当事者がAIを適切に活用できるよう支援していきます。今後も最新技術を取り入れながら、障害のある方々の自分らしい生き方の追求をサポートする環境づくりに取り組んでまいります。
「パパゲーノ Work & Recovery」について
パパゲーノ Work & Recoveryは、精神・発達障害のある方を対象とした就労継続支援B型事業所です。2023年9月に八幡山で1施設目を開所し、2025年3月に用賀で2施設目を開所しています。

<パパゲーノ Work & Recoveryとは?>
https://papageno.co.jp/work-and-recovery/
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書籍「生成AIで変わる障害者支援の新しい形 ソーシャルワーク4.0」
パパゲーノの障害者支援の実践事例や生成AI活用の基礎をまとめた書籍 『生成AIで変わる障害者支援の新しい形 ソーシャルワーク4.0』 (総合法令出版)を2025年3月11日に出版しています。
生成AIと障害者支援に関心のある方はぜひご一読ください。
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【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社パパゲーノ広報担当:田中康雅
Email:info@papageno.co.jp

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