サンシャイン水族館(豊島区東池袋3)が展示しているメンダコが2月4日、展示開始から41日目を迎え同館の最長展示記録を更新した。
イベント「ゾクゾク深海生物2022」で展示しているメンダコ。相模湾~東シナ海の水深200メートル~1000メートルに生息。約20センチ程の大きさで、パタパタと動く耳のように見えるヒレやスカートのようにも見える腕と腕の間の鰭膜(きまく)が特徴だという。
同館はこれまでも、海面の温度が下がり深海との温度差が小さくなる冬期にメンダコを採集し、飼育展示をしてきたが、長期の展示は「非常に難しい」といい、今までの最長展示記録は17日だった。同館によると、「2月16日には国内展示最長記録の52日を更新する」という。
現在展示しているメンダコは、昨年12月25日に静岡県の駿河湾沼津沖で底曳き網漁の船に同乗した飼育スタッフが採集した。通常、網を引き揚げる際に他の漁獲物などにもまれて傷付くことが多いが、今回は個体への影響が少なく非常によい状態で採集することができたという。
採集後はすぐに加圧水槽に入れ急速な浮上による減圧症のリスクを減らして同館まで運搬し、12月26日から展示を開始した。展示後も状態良好で、腕を広げて体を大きく見せるような姿や、アクロバティックな動き、今までのメンダコ展示では見たことのないような動作を観察することができているという。メンダコの最新の様子はSNSでも発信している。
飼育担当スタッフの上市光之さんは「網を引いた漁師が『メンダコ!』と言って手際よく取り上げ、一目見た時外傷もほとんどなく、これまで見てきたどの個体よりも状態がよくきれいだったことを記憶している。展示中も、タコらしい動きを見せてくれており感動した。性別がメスだとしたら卵を持っているかもしれないなど、まだまだ不明なことが多いが、長期展示していくにつれていろいろと生態が明らかになってくるのが楽しみ」とコメントしている。
「ゾクゾク深海生物2022」の開催時間は10時~18時。入場料は、大人(高校生以上)=2,400円、子ども(小・中学生)=1,200円、幼児(4歳以上)=700円など。3月6日まで。