池袋のオフィスビル「ダイヤゲート池袋」で3月25日、「竣工式」が行われ、線路上空のデッキの供用が始まった。
西武鉄道(所沢市)が保有し、西武プロパティーズ(同)が開発した同施設。西武鉄道池袋線の線路上空と、池袋旧本社ビル敷地、西武鉄道所有地の線路西側の用地を活用し建設。線路をまたぐ高層ビルは「日本初」だという。
地下2階・地上20階、延床面積約5万平方メートルで、低層部分には商業店舗が入居する。オフィスフロアは、約2100平方メートル(約640坪)で、総貸室面積では池袋エリアでトップクラスになるという。
豊島区が構想中の「池袋駅東西連絡通路(東西デッキ)」と、同施設2階線路上空デッキの接続を予定しており、池袋駅から南池袋方向への歩行者ネットワークを強化する。
免震構造の採用やBCP面への配慮を行うなど防災性の向上を図るほか、防災備蓄倉庫の設置やエントランスホール、ビル内デッキなどを帰宅困難者の一時滞在スペースなどとして開放するなど、地域への貢献にも努めていく考え。豊島区と今年1月に「帰宅困難者対策の連携協力に関する協定」を締結しており、大規模な地震などが発生した際には区と連携協力していくという。
ビルの14~18階の5フロアには、西武ホールディングスや、プリンスホテル、西武プロパティーズのグループ3社が入居。
レンタルオフィス・コワーキングスペースを世界的に展開する「リージャス・グループ」が手掛けるサービスオフィスや、全国・海外に2000室以上の貸会議室を経営する「ティーケーピー」の入居も決定している。
西武ホールディングス後藤高志社長は「ダイヤゲート池袋には『池袋の今後の発展へ向け、ランドマークとしてその一翼を担う』との思いを込めている。当社としては、3社が当ビルに本社移転することにより、西武鉄道本社の所沢との2大拠点化による企業価値の一層の向上に取り組んでいく」とコメントしている。