
研修で作成した提案書「南房総 × 生成AI ~AIに選ばれるマーケティング実践報告~」より
概要
1. 生成AI検索の調査から「地域の魅力が伝わっていない」現状を分析
2. AIに選ばれるための特設ページ「エンティティホーム」を制作
3. 現地の事業者へ、ブランディング施策をプレゼンテーション
株式会社 日本SPセンターは、2026年9月1日から4日までの3泊4日間、千葉県南房総市富浦地区・山名地区で企業研修を実施。10名のプランナーが、生成AI検索時代のコンテンツマーケティングの研究と実践に取り組みました。
「地方の小規模事業者の活性化が、地方創成に直結する」との考えから、定期的に開催している合宿型の企業研修。これまで長野県、京都府、千葉県南房総市、岡山県西粟倉村で行われ、今回で5回目です。
研修はヤマナハウスの運営会社である合同会社AWATHIRD(アワサード、代表:永森昌志氏)の全面的な協力のもと実施されました。
取り組む課題は、「ヤマナアカデミー for Business」の魅力を生成AIに正しく伝えること。
既に検索利用者の約6割が「検索結果を見る前にAIのおすすめを確認する」状態にあり、4割以上が検索エンジン自体の利用頻度の減少を実感している中、実際にChatGPTやPerplexityに「千葉県で企業研修・合宿ができる施設を教えてください」などと質問しても、他施設は名前が挙がる一方で「ヤマナアカデミー for Business」自体はほとんど言及されないという課題がありました。
研修参加メンバーは、現状のサイト全体をAIに読み込ませて内容を棚卸しするとともに、ターゲットが実際にAIへどのような言葉で検索するかを専用ツールで検証。さらに現地でのヒアリングを通じて、既存サイトには載っていない一次情報を収集し、既存サイトには豊富な事例が掲載されているにもかかわらず、その魅力が生成AIには正しく伝わっていないという実態を明らかにしました。
この課題を解決するために制作したのが、特設ページ「エンティティホーム」です。
「自分たちは何者なのか(エンティティ定義)」「どんな人におすすめか(C2MC2)」「なぜ"おすすめ"と言えるのか(公式証明)」という3つの要素を満たすようにページを設計。既存のコピーも「ヤマナアカデミー for Businessは、事業開発・人材育成・福利厚生・CSR、それぞれの『まだ答えの出ていない課題』に向き合う、法人・自治体・大学向けの地域共創プログラムです。
拠点は、東京から最短90分の千葉県南房総にあります」というように、対象と提供価値を明確に言語化しました。あわせて、メタデータの調整やJSON-LD(ページの内容を機械が正しく読み取れるようにする記述)の追加といった技術的な工夫も行い、完成した「エンティティホーム」は実際に生成AIに評価してもらう検証まで実施しています。
合宿の最終日には、完成した「エンティティホーム」と分析結果を、ヤマナハウス運営メンバーの皆様へプレゼンテーション。エンティティ定義に基づく新しいコピー案、C2MC2の観点から整理したターゲットごとの訴求ポイント、メタデータ・JSON-LDなどの技術的な工夫、そして完成したページを実際に生成AIへ評価させた結果まで、担当者ごとに分担して説明を行いました。
提案を受けたヤマナハウス側からは、「自分たちでも、法人に向けた南房総地域の魅力をまだ具現化できていないと思っていた。それに対して今回、1つひとつの魅力の解像度をあげていく提案をもらったと思っている」「今回の提案によっていろいろなヒントを得られた。ぜひ今後、その活用も検討していきたい」といったコメントがありました。今回のプレゼンテーションで終わりではなく、今後も千葉県南房総市へのコンテンツマーケティング支援を続けていく予定です。
本研修の特長
1.生成AI検索の"実態"を直視するところから始める
研修ではまず、生成AIの現状把握を徹底しました。今や多くの人が検索結果を見る前にAIのおすすめを確認するようになっており、検索において生成AIを利用する人は約6割、検索エンジン自体の利用頻度の減少を実感している人は4割以上にのぼるというデータから、AI検索を前提としたブランディングの必要性をメンバー全員で共有しました。
そのうえで、1.現状のサイト全体をAIに読み込ませて内容を棚卸しし目視でも確認、2.ターゲット層が実際にAIへどのような言葉で検索するかを専用ツールで検証、3.現地でのヒアリングを通じて一次情報を収集、という3つのステップで現状分析を実施。実際にChatGPTに「千葉県で企業研修・合宿ができる施設を教えてください」と尋ねたところ、他の研修施設は名前が挙がる一方で「ヤマナアカデミー for Business」自体はほとんど言及されず、Perplexityでの検証でも、断片的な情報は出てくるものの真の魅力までは伝わっていないという実態が浮かび上がりました。
既存サイトには豊富な事例が掲載されているにもかかわらず、その魅力がAIには正しく伝わっていない――「すばらしい資産が、届くべき相手に届いていない」という課題を、メンバー全員が具体的なデータと検証結果をもって共有できたことが、研修の出発点になりました。
2.一次情報を重視したフィールドワーク
研修参加メンバーは、既存サイトの分析やAIへの質問検証だけでなく、実際に現地に赴き、ヤマナハウスの運営メンバーの方々と直接対話しながら一次情報を収集することを重視しました。事前にAIへ関連情報を学習させたうえで現地に臨んだことで、既存のサイトには掲載されていない、現場ならではの魅力的な情報を数多く発見することができました。
生成AIは、汎用的な情報であればいくらでも量産できますが、実際に足を運び、体験し、対話したからこそ語れる一次情報は、AIには代わりがつくれません。今回の「エンティティホーム」に込めた説得力のあるコンテンツは、こうした現地での一次情報収集があってこそ実現したものです。

代表の永森氏とのフィールドワークの様子
3.AIと"チームで"働く仕組みづくり
参加メンバーは20代~40代と幅広い世代・キャリアの持ち主でしたが、フラットな関係で意見を交わしながら、AIとの新しい働き方づくりに取り組みました。
これまで、生成AIとの対話は基本的に一人で完結するものでした。しかし個人がバラバラにAIを使っていると、せっかくの気づきや工夫がその人の中だけにとどまってしまい、他のメンバーが同じような試行錯誤を繰り返してしまうことも。AI活用が当たり前になった今だからこそ見えてきた、新しい"もったいなさ"です。
そこで今回は、AIとのやり取りや次にやるべきことを記録に残す、うまくいったやり方が見つかればチーム共通の型にする、といったルールを決めながら作業を進行。生成AIはClaudeやChatGPT、ナレッジベースはObsidian、ファイル共有はOneDriveを用いました。8名のメンバーが1ヶ月をかけて、2,200ファイルにおよぶ情報をチームで蓄積・活用。一人で頑張るのではなく、チームでAIと向き合うことで、試行錯誤のプロセスそのものがチームの財産になっていく感覚を得ることができました。
さらに、蓄積した情報をもとに"右腕エージェント"が仮想の担当者とやり取りしながら企画書をつくる、という応用的な試みも行いました。
研修参加メンバーからは「また参加したい」「ふだんの仕事では学べない重要な体験だった」「日ごろの企画提案にも生かしたい」といった声がありました。

南房総市富浦町さざなみホールで最終プレゼンを実施
地方創生を含む様々なビジネスにおけるマーケティングに活用いただけるよう、日本SPセンターは、生成AIを活用したコンテンツマーケティングの研究と実践に引き続き取り組んでまいります。
※今回の取り組みの詳細は2026年11月に開催予定の、弊社主催イベント(CONTENT MARKETING DAY 2026)にて一般公開予定です。

株式会社日本SPセンターについて
1967年創業のマーケティング・エージェンシー。大手企業のマーケティング・プロモーションを中心に、国内外の実績多数。マーケティング戦略立案から、WEBサイトやカタログ、動画などのプロモーションコンテンツ制作まで幅広く対応可能です。2010年頃からはコンテンツマーケティングの研究・実践に取り組んでおり、コンテンツマーケティングのビジネスアカデミー「CONTENT MARKETING ACADEMY(コンテンツマーケティング・アカデミー)」を主催し、国内最大規模のコンテンツマーケティングのコニュニティイベント「CONTENT MARKETING DAY(コンテンツマーケティング・デイ)」を毎年開催しています。
生成AIを活用した地方創生とコンテンツマーケティングについては近年の研究テーマのひとつです。マーケティング業界と地方の小規模事業者をつなげる活動を今後も進めていきます。
関連リンク
ヤマナハウス
https://yamanahouse.site/
ヤマナアカデミーfor Business
https://business.yamana-academy.jp/
合同会社AWATHIRD (アワサード)
https://awathird.com/
株式会社日本SPセンター
https://nspc.co.jp/